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STORY 01
建築

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一線を画する独自性の追求

国道122号線沿いにある、賃貸マンションの新築工事。意匠的に周囲のマンションとは一線を画する独自性を追求するために、材質や色味にも徹底的にこだわったデザインが要求された。また、SDGs(持続可能な開発目標)への対応を考慮し、浸水対策や下水本管からの逆流防止措置など幅広い視野が必要であった。比較的難易度が高い条件に加え、国道沿いの立地ゆえ、道路使用の制約上、躯体コンクリート打設計画及び資材の搬出入においてのスケジュール管理が課題となる。プロジェクトメンバーたちが、その当時を振り返る。

MEMBER

  • 所長

    所長 T.K

    東京建築本部 工事部
    工事課 担当課長
    1990年新卒入社

    現場所長として、本プロジェクトを統括。本プロジェクトではこれまでの知識と経験を活かし、南海辰村建設のプロジェクトメンバーのほか、30社にも及ぶ業者を束ねた。

  • 設計

    設計 H.Y

    東京建築本部 工務部
    設計課 主任
    2008年新卒入社

    本プロジェクトの設計・監理担当を務める。工事課での業務経験を活かして、お客様の要望と現場作業の効率化を図った。

  • 事務担当

    事務 N.T

    東京建築本部 統括部
    主任
    2013年新卒入社

    本プロジェクトの原価管理や支払処理を担当。会社内から現場を支える縁の下の力持ち。会社の決算月に竣工予定だったため、限られた時間での決算処理となった。

  • 営業

    営業 H.K

    東京建築本部 営業部
    主任
    2007年新卒入社

    本プロジェクトの営業担当を務める。設計担当者とお客様の要望に適うよう提案しつつ、予算内に収まるよう折衝を行った。

※所属部署やインタビュー内容は取材当時のものです。

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01独創的なデザイン性と、
時代が求める持続可能性への挑戦

今回の物件は一棟売りの賃貸案件。はじめに、部屋の内部の部屋割りはかなり詳細に希望をいただいたので、設計と綿密に打合せをしてお客様の要望に沿った内容になるよう努めました。限られた空間の中で理想の部屋割りになるように図面に落とし込んで欲しい、というリクエストを伝えるのは私の仕事ですが、設計は大分苦労したと思います。

そうですね、お客様のご要望を設計図に落とし込んでいくのが私の仕事です。今回のお客様は具体的な構想をお持ちでしたので、そのご要望を最大限くみ取り、当社の費用や技術の範囲内で実現するために、試行錯誤が必要でした。

この案件は、色味など細部にもこだわりを持って取り組んでいましたね。

そうなんです。お客様のイメージを具現化していく過程では難しさも感じていましたが、その分やりがいを感じました。
お客様のイメージを正確に把握することが難しい場面もありましたが、そんなときは営業が仲介役としてサポートしてくれたので、助かりましたね。

打合せで気を付けているのは、第一にまず「嘘をつかない」こと。そして、お互いの視点が同じ方向を向くようにすること。お客様の要望について、しっかりと事前の打ち合わせを行うことで骨太なイメージが形成されるので、色々と言うべきことを言えるようになる。そうやって信頼関係を築ければ、お互いのお願い事についても協力し合って叶えていこうってなりますよね。

お客様の要望変更があったり、設計図通りに施工できない箇所が出てきたため、その都度、代替案を考えて、臨機応変な設計変更を行いました。設計図が完成しても設計の仕事は続いていきますからね。

プロジェクトストーリー 建築
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02各メンバーに立ちはだかった壁と、
それを乗り越えられた工夫と成果

私の役割は、原価管理・支払処理・決算処理などを通して、工事の円滑な進行をサポートすることです。このプロジェクトは会社の決算月に竣工予定だったので、現場が施工を進める中で費用を確定させなければなりませんでした。営業や設計との連携はもちろん、特に所長との綿密な相談が重要でした。

工事を進行しながら費用を予測するというのはかなり難しかったですね。30社以上の業者との連携を通じて、費用を確定させるための情報を一つひとつ確認していきました。私の算出した内容に間違いがないか、建設業界の会計基準に則った管理ができているか、事務担当の方にもチェックしてもらいましたね。

工事が終わっていない段階での費用算出はとても難しいのですが、所長がスムーズに行ってくれたので大変助かりました。営業とも連携しながら、正確な会計処理を行いました。皆さんの協力もあって報告を無事にまとめることができたときは、大きな達成感とやりがいを味わいましたね。
あと、今回の案件では、マンションの前の道路が土日しか使用できなかったと思うんですが、そこでも難しかったですよね?

そうなんです。道路使用の許可が下りたのは土日のみでした。故に大型車両での資材搬入やコンクリートの打設日は必然的に土日となるスケジュールでしたので、現場職員の休日も水曜に変更し対応しました。
あとは、工事の計画上、敷地いっぱいに建物があり仮設計画においても頭を抱えていたよね。

はい。通常はマンションの隣に独立したクレーンを建てて作業を進めるのですが、今回は敷地いっぱいにマンションを建設する計画でしたので、基本設計時より所長と相談しながら、本体建物躯体基礎の一部分をせり出しクレーンの基礎と併用する形で問題解決にあたりました。そのように設計段階から、現場で起こる問題点を予測し、対策検討をしておくことは元々現場で働いていた時の知識や経験が活かせた部分かと思います。

クレーンを解体するときも、道路が土日しか使えず、しかも日中は2車線のうち1車線しか使えません。2車線利用できる夜間での作業を余儀なくされました。安全管理と騒音対策には十分注意して行いましたが、非常に難しかったですね。

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03プロジェクトによって得られた、
やりがいと成長

このプロジェクトに関してはとにかく「今まで積み重ねてきたことがすごくいい形で終結した」という印象が強いですね。どこのプロジェクトでもそうですが、一番は「本当にいい物件を作ってくれましたね」「また次もお願いします」と言われたら嬉しいですし、「またやりましょうね」って言われたらやってきてよかったなと思えますよ。

何もないところから時間と労力をかけて進めていったので、足場解体が終わってマンションの全貌が見えたときには、達成感を感じました。頑張ってくれたメンバーへの感謝の思いと、計画通り工事を進められた安心感で、込み上げるものがありました。入社後何十年も経ちますが、いつまでたってもこの瞬間は「形に残るものをつくる」という、やりがいを感じられますね。

そうですね。建物が完成した姿を見るときは、何度経験しても達成感を感じられます。建物完成時、竣工検査を実施するのですが、お客様と一緒に建物内の確認を終えた際に「イメージ通りの建物を作っていただいてありがとうございました」というお褒めの言葉がいただけたときのうれしさは、今でも心に残っています。

そんなふうに、お客様から感謝の言葉をいただけたことを耳にすると、こちらまで嬉しくなります。工事の難しさを知っている分、プロジェクトの進行や出来栄えを褒めていただけると、現場の皆さんのすごさを痛感します。だからこそ、私が直接工事をしたわけではなくとも自分事のようにうれしいですし、今後のモチベーションにつながっています。

今回はSDGs対応の建物という点で、今まであまり経験したことのない設計への挑戦だったので、とても勉強になりましたね。案件をこなしていくごとに増えていく引き出しを、今後の設計活動に活かしていきたいです。

そうだね。建物ってどれもよく似ているけど、実は同じものってなかなかなくて、毎回施工方法が違っている。前と同じだという安易な考えでやると痛い目を見るので、案件ごとに一つひとつ経験を重ねて、さまざまなアプローチ方法を覚えていくことが大切ですね。私もこれまで長いこと経験を重ねてきましたが、今でも新しく覚えることが多いです。キャリアを積んでも成長を続けられる、そんな仕事だと感じています。

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